『不妊治療』精神的なツラさ<前編>~経済的な負担の現実~

(写真=Photographee.eu/Shutterstock.com)

国立社会保障・人口問題研究所の「2015 年社会保障・人口問題基本調査 第15回出生動向基本調査」によると、夫婦で不妊を心配したことがある(または現在心配している)夫婦の割合は、35.0%にのぼり、実際に検査や治療を受けたことがある割合は全体の18.2%と、約5組に1組の夫婦が「不妊治療」を選択しています。

「不妊」の現状

「不妊」とは、性交をしているにも関わらず「1年以内」に妊娠をしない状態を言います。厚生労働省の「特定不妊治療費助成制度の実績・成果の概要」によると、2009年の体外受精及び顕微授精での出生児数は、1万3,463人であり、厚生労働省「平成21年人口動態統計」によると、同年の出生児数は約107万人となっています。約100人に1人が体外受精や顕微授精の不妊治療によって生まれているのです。その他の不妊治療による出生児数を含めると、総出生児数に占める不妊治療による出生児数の割合はさらに高くなります。「不妊」は、決して他人事ではない問題なのです。

不妊治療の負担とは?

不妊治療には「保険適応される治療」と「保険適応されない治療」があります。「保険適応される治療」には、「腹腔鏡検査」「開腹・腹腔鏡下手術」「子宮卵管造影」「卵管形成術」排卵誘発剤などの「薬物療養」があり、「保険適用されない治療」には、「人工授精」「体外受精」「顕微授精」があります。

一般的には、「保険適応される治療」で妊娠しない場合に「保険適応されない治療」へと進みます。不妊治療は、病院に行く時間を確保したり、治療内容を夫婦と医師で話し合ったりする為、体力的・精神的な負担がありますが、それに加えて治療が長引くと、経済的負担も大きくなります。

「保険適用されない治療」は病院独自で費用が異なりますが、人工授精の場合は1回あたり2万~3万円程度、体外受精・顕微授精の場合は、採卵から移植までで1回あたり30万~40万円程度、受精卵を凍結保存して再度移植する場合は、20万円程度の費用がかかります。

病院によっては、治療回数が増えると費用が安くなる料金システムを導入している所もありますが、それでも経済的な負担は大きくなってしまいます。治療のために、仕事を辞めるなど収入が減るリスクもあります。

不妊治療の各種制度

不妊治療による経済的負担を少なくするために、国や自治体(都道府県、市町村)で助成制度や融資制度、税金の軽減制度があります。

国の助成制度としては、「特定不妊治療助成制度」があります。治療期間の初日における妻の年齢が43歳未満で、法律上婚姻している夫婦に対して、指定された医療機関で体外受精及び顕微授精(以下「特定不妊治療」)を受けた場合、1回の治療につき15万円(採卵を伴わない凍結胚移植等については7万5,000円)を上限に、助成金を受けることができます。

初回の治療では、助成金の上限が30万円までと拡充されています(採卵を伴わない凍結胚移植は除く)。ただし、妻の年齢が43歳未満で、夫婦の所得が730万円未満、という要件を満たす必要があります。また、通算助成回数は、初めて助成を受けた際の治療期間の初日における妻の年齢が40歳未満であるときは6回(40歳以上であるときは通算3回)まで、という上限が定められています。また、2013年度以前から本事業による特定不妊治療の助成を受けている夫婦で、2015年度までに通算5年間助成を受けている場合には助成されません。

このような国の助成制度以外にも、市町村で独自の助成制度を設けている自治体もあります。ただし、かかった治療費から国からの助成金は引いて、それでも自己負担があった場合のみ申請することができます。申請の期限が、治療から1年以内、年度末(3月末)まで、と自治体によって違いますので、注意が必要です。

自治体での不妊治療に対する制度は、低金利で不妊治療の資金を融資する、助成回数がプラスされる、男性不妊に対する助成金は20万円までなど、自治体によって受けられる制度に格差がありますので、自分の住んでいる自治体にどのような制度があるのか調べてみるといいでしょう。

また、自己負担の医療費が高額になった際に、確定申告をすることで税金の還付を受けることができる「医療費控除」に不妊治療費を含めることができます。治療費の領収書や自治体から受け取った助成金に関する書類は保管しておき、最寄りの税務署にて確認、手続きを行ってください。

不妊治療は、今や身近な問題です。こうした状況を踏まえて、生命保険業界でも不妊治療を受ける際に給付金が出る商品の開発が進んでいます。後編では、「万が一不妊治療を受けた時」に役立つ保険についてお伝えします。

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